7月26日に開催された連続見学会「土壁で快適な住まいをつくる」は暑い季節だったためか、普段より応募は少なめでした。
しかし!!
少人数だからこそ、じっくりとお話ができました◎
今回ご参加して頂いたのは、この家の住まい手はもちろんのこと、これから基礎工事に入るタイミングの住まい手、これから土地探しを始める方、土壁を勉強したいと以前から参加してくれている左官屋さんです。
いろんな立ち位置の方々と一緒に『土壁』の魅力を深ぼって行きます。

まずはこの家の間取りや高さのこと、空間の繋がりや収納の考え方などから。
間取り図だけでは立体的にどのように空間が繋がっているかは想像し難いのですが、こういうイベントで実物を見て体験して頂くのが一番いいですね。
それではいよいよ、快適で気持ちの良い空間をつくるのに欠かせない『土壁』について、
まずはどのようなものか、“生”荒壁土を見てみましょう!

多治見の粘土質の多い土に藁をすき込んで発酵させていますので、粘り気と独特のニオイがありますが、泥の中でバクテリアが活発に活動している証拠です。(乾いたらニオイは無くなりますのでご安心ください)
藁が分解されることで、藁の繊維が土の“つなぎ”の役割を果たし、また、リグニンという成分が接着の役割を果たし、より強固な土壁をつくってくれるとされています。(地域や考え方によっては発酵させない手法もあるそうですが。)
この家の竹木舞編みと土荒壁塗りはこの中村さん一人で施工してくれます!
熟練の職人ですので、堅実で、びっくりするほど仕事が早いです。

中村さんの仕事を見よう見まねで、みんなで土塗り体験をさせて頂きました。
重くて、粘り気があって、塗るのが大変ですが、「いい家になる。」と肌感で伝わってきます。

中村さんとこの家の住まい手Nさんが横並びで土塗りをしている様子はとてもいいですね。
顔の見える関係で家づくりをする醍醐味です。

体験をして、土壁は何となくいいな。と感じて頂いた後に、
どうしていいのか?
どう施工したら土壁の長所を活かすことができるのか?
などの他に、コスト感や工期などについてもお話させて頂きました。
最後の雑談中に、
この家の住まい手Nさんご夫婦が家づくりのパートナーを探している頃の話題になりまして、
お話を伺っていると奥さんが、
色々な会社がつくる家を見学してきましたが、“豪華とワクワクって違うんですよね。”
とおっしゃっていたのがとても印象的でした。
私たちは豪華な家を目指しているわけではなくて、住まい手の暮らしに寄り添った家をつくりたいと考えていますし、それを一緒につくっていく“ワクワク感”を感じて頂けているのであれば、設計者冥利に尽きます。
まだまだ家づくりは続きますので、楽しんで進めていきましょう!
次回の連続現場見学会は「左官編」です。
会場は瀬戸の家Ⅱで、左官壁の仕上げ塗りのタイミングになると思います。
詳細が決まりましたら、改めてお知らせします◎
土壁のついて、まとめたページがありますのでご案内します。〈ここをクリック〉
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