床座の家
押沢台の家 Ⅱ
- [竣工日] 2025年3月
- [坪数] 26.2坪
- [所在地] 愛知県春日井市
- [工事種別] 新築
- [構造・規模] 木造二階建て
- [家族構成] 夫婦 +(子供2人)
春日井市の高蔵寺ニュータウンに建てる木組み土壁の家です。
住まい手はご夫婦と二人のお子さん(予定)です。
Kさんご夫妻と初めてお会いしたのは『志段味の家Ⅱ』の現場見学会の時。大工の加工場で木組みの仕事を見ながら、プレカットには望めない緻密な大工の技と、本来の大工技術の信頼性の高さに触れて頂いたことが、この家づくりにつながりました。
“老後まで安心して暮らせる家にしたい”
とのご希望から、主寝室も一階に設けた、ほぼ平屋建てに近い間取りです。二階には小さな個室を二つ、ちょこんと乗せました。
この家のプランニング上のポイントは“床座の暮らし”と言うこと。食事は座卓で、そして寛ぐ時も座椅子で床に座り込むスタイルです。
“床座”の家は“椅子座”の暮らしと比べてアイレベル(目線)がずいぶん低くなりますので、そのことを踏まえて設計をする必要があります。
アイレベルが少し変わることで、部屋が広く感じたり狭く感じたり。あるいは天井の高さ感もずいぶん変わります。ですので、例えば窓や棚の高さなども慎重に検討する必要があります。また、立ち作業のキッチンと座卓の食事スペースの関係性など、“椅子座”の家とは少し違う繋がり方を工夫する必要がありそうです。
そんなことを考えながら設計していると、いつもとは違う空間イメージが頭に広がったりするので、改めて住まいの設計の面白さを味わうことができました。
外観(北)
平屋建ての構造に小さな2階を乗せました。お庭は木曽石や山採りの木々を植え付け、里山を想わせる雰囲気になりました。
アプローチ
お庭は住まいと道路との緩衝地帯の役割もあります。アプローチを斜めに配置することで、ポーチが開け透かしにならないように配慮されています。
ポーチ
ポーチ周りは左官壁(掻き落とし)で仕上げました。手仕事でしか表現できない意匠性と質感があります。
外観(南)
物干しスペース
脱衣室から外へ出ると物干しスペースに繋がります。外物収納棚も設えました。
玄関
自然光が入る明るく落ち着いた玄関。下駄箱横の引戸を抜けるとクローゼットへ繋がります。
居間
ダイニングテーブルを置く“椅子座”の空間づくりとは違い、この住まいは床に座る“床座”の暮らしをされます。そのため構造や窓、棚の高さを調整し、座った時に居心地が良いように空間づくりをしました。
居間(障子有り)
障子とブラインドを閉めると柔らかい光に包まれます。
居間
右手には、季節に合わせた飾りを楽しみたいとご要望されましたので、日々の暮らしで楽しめる『床(とこ)』を設えました。
居間
座椅子と座卓はこの住まいのためにゼペット(家具工房)がデザイン・製作しました。ハイバックの背もたれは身体をしっかりと受け止めてくれます。
小上り
居間に隣接した小上りはみんなの書斎です。掘りごたつになっているので長時間座っていても疲れにくいです。
小上り
雑多な書類や道具が見えないように少し高めに仕切り壁を計画しました。
キッチン
L字型に抜ける開口からはお庭の緑が楽しめます。ご夫婦でキッチンに立たれるので少し広めに計画しました。
キッチン
ヤマザクラで製作しました。炊飯器やケトルは引き出しの中に配置しました。
ハイスツール
煮込み料理などの時にゆっくりと本を読みながら料理をするためにハイスツールを製作しました。
洗面コーナー
便所
脱衣室
浴室
腰壁は左官仕上げの砂利洗い出し、面台は人造石研ぎ出しです。左官職人の川口さんのご提案で、掃除がしやすいように床の入隅はR面をつけました。
ファミリークローゼット
パントリー
主寝室
在宅ワークができるようにデスクを設置してあります。
個室1
将来は子供部屋になることを想定していますが、現在は旦那さんの趣味の裁縫部屋になっています。
個室2
吹き抜け
木組みの架構が美しく見えることも意識して構造設計しております。
プラン
スケッチ
一階 間取り図
