【御供所の家Ⅱ】その1・・・明治の大工とコラボでリノベ

さあ、いよいよ始まりました!
明治22年に移築された民家のリノベーションです。
 
いまの地に移築されて、実に130年ほどが経ちます。
移築前は、私が住む小牧の陣屋の一部だったとか・・・。
 
 

 
母屋は延べ面積、約85坪。
中門に覆い被さる大きなシャシャンボの木が、その歴史を物語っているようです。
  

 
明治の頃の写真と見比べると、ほとんど外観は変わっておらず、
当時の佇まいを今に残しています。 
 
 

 
内部は畳の間が6室。 
 
 

 
そして、昭和に入ってから一部が改装され、
当時流行った化粧合板で仕切られた応接室や食堂などがあります。
 

 
 
 
ご先祖様から代々受け継がれてきたこの建物を、
さらに永く受け継いでいくためには・・・、
 
1.耐震性を可能な限り上げること。
 
そして、
 
2.できるだけ今の生活スタイルに馴染むプランに変えること、です。
 
 
 
さて、設計の前に、まずは現況調査です。
 
初めに、床下に潜ってみます・・・。
 

 
もちろんコンクリート基礎などありません。
丸い玉石の上に建つ、いわゆる石端建て構法の建物です。
 
 

 
これは『地伏』(じふく)、『地覆』とも書きますが、
玉石の上に横たえて、柱を受ける部材です。
 
家の中央で、大きな土葺きの瓦屋根の重さを一手に受けている感じですね。
その重さで柱が地覆にめり込んでしまっています。
 
どうやら、以前にも補習されたようで、
板を一枚挟み込んで、沈んだ柱を上げられた様子が分かります。
 
 
 
次に小屋裏です。
 

 
見て下さい!
 
よくもまあ、こんなに曲がりくねった丸太を上手く組んだものです。
X・Y・Z方向、三次元の木組みの技には驚くばかりです。
 
これぞ “ 日本の大工の技 ” ですね。
 
 

 
この部分はご覧の通り、
随分煤けて黒くなっているのが分かります。
 
この下はかつて、きっと土間空間で、
オクドさんで毎日、火が焚かれていたに違いありません。
 
 

 
さらに奥に進むと、
床が張られた『つし』がありました。
 
 
 
さあ、この古民家をどのようにリノベーションするのか・・・。
 
百年を超える昔の大工とのコラボレーッションです。
 
 
引き続き、この先もご紹介して行きます。
お楽しみに!
 

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