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近年、やっと問題視されはじめた建築業界のゴミの問題。
環境のことを思うと、なんでもすべて壊して新しく造り直すという発想ではなく、大切に生かして使って行くという姿勢がとても大切だいうことに、改めて気付かされます。またそれが日本の素晴らしい文化を受け継いで行くことにもなるのではないでしょうか。
今後、私達がしっかり取り組んでいかなければならないテーマだと思います。
今回再生改修した建物は約21坪の離れ屋です。80才をまわったおばあちゃんが嫁入りして来る以前に、どこか別の場所から移築されたもので、おそらく築100年は経った建物ではないだろうかということです。おばあちゃんの新婚当時にはここが若夫婦の部屋だったそうで、以後、下宿人の部屋だったり、塾の教室として使ったり、卓球台を置いた娯楽室だったりと、多少手を加えられながらさまざまに利用されてきました。
今回の改修目的は、娘さんのための機織り用のアトリエをつくるというものです。仲間達と作品展を開いたり、又はボランティア活動のための集まりの場として使っていきたいとの希望でした。
そもそも、この古い家を再生しようと思いついたのは施主のKさん。数年前に古い母屋を取り壊して新築されたのですが、失ってみて初めて古い建物の良さに気付きました。それで、この古い離れ屋は残して生かしていきたいと強く思ったそうです。
今回の改修工事では、新建材でリフォームされていた床・壁・天井をはがして、本来の木の軸組や土壁を生かしながら、現代の感覚に合う空間にすること。そして傷みや構造上の問題があれば、それを解決しておくことです。
幸い骨組みは、造りも良く大変しっかりとしており、たいした傷みもなかったので、床下の束・根太をやり替えた以外、内外装レベルの改修で済みました。床に杉の厚板を張り、天井はボードをはがして隠されていた板をきれいに洗って当時の姿にもどしました。壁には既存の荒壁の上に、すぐ裏にあるKさんの畑から掘った土に、香りの良いレモングラスを混ぜ込んで塗り、そして新たに間仕切ったところには、別の古いお屋敷からはずしてストックしてあった障子を転用しています。
外部は外壁の下見板を、枠を残して杉板を打ち変えました。色の調子を合わせるために、柿渋にベンガラを混ぜて、それをKさん自身に塗ってもらいました。リホームですべてアルミサッシに変えられていたところを木製建具にもどし、壁の黒漆喰を水洗いして、軒下には気持ちのよい広いぬれ縁を造りました。
今回この再生を手掛けて改めて感じたことは、昔の家造りが遠い将来まで永く住み継がれることを前提としていたということ。材料選びや各部の工夫された納まりのなどにそのことがよく伺われます。
本物の素材を使い、職人さんの腕により丁寧に造られている当時の建物は、ちょっとした手の加えようで、みごとに生き生きとした空間に蘇りました。
工房として、そして集いの場として、末永く活躍していくことでしょう。
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