家造りについて



身近な自然の恵みを生かす


太陽の日射しや季節ごとの風を家の中にうまく取り込む。

たとえまわりが建て込んだ敷地でも、工夫次第でそれらを活かすことは可能だと思います。その土地とまわりの環境をじっくりと観察し、“身近な自然の恵みを活かした家づくり”を大切にしています。





家族と共に成長する家


生活のかたちは家族の成長に伴ってだんだん変わっていきます。出産で子供が増えて寝室が手狭になったり、やがて大きくなって一人ずつ落ちついて勉強できるスペースが必要になってきたり。また進学して家を離れることもあるでしょうし、いずれ結婚していなくなってしまうかもしれません。 家庭ではほんの数十年の間に、結構たくさんの変化がありそうです。

それを思うと、家はある程度融通性をもたせて造っておいたほうが良いのかもしれません。初めから細かく仕切って造るのではなく、まず基本の構造体をシンプルな架構にして十分頑丈につくり、さしあたって必要な部屋や機能をしっかり確保しておく。あとは場所によっては家具などで仕切ったり簡易な間仕切りにすることで、後の模様替えや間仕切りの変更に柔軟に対応できるような考え方もあると思います。

家の使い勝手に自ら手を加えられるといった可能性は、より一層住まいを身近なものとして感じさせてくれるでしょうし、住まい手の創造力をも掻き立ててくれるのではないでしょうか。また、それは家を有効に使い、かつ、愛着を持って永く住み継ぐための秘訣でもあります。

山の木が柱や梁として使えるまでに育つには、少なくとも50〜60年かかります。その年月よりも長く住み継いでいくためにも、家族と共に成長していけるような住まいをつくって行きたいと思っています。



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自然素材の良さを生かす


木や土、しっくいなどの自然素材で包まれた空間は、不思議と体に心地よく、心をほっと和ませてくれます。しかし、それにはちゃんと訳があります。

たとえば竹小舞いの土壁に漆喰などの左官材料で仕上げた壁。それらには程よい蓄熱性能や吸放湿性能があるため、夏涼しく冬暖かく部屋の中を保ち、さらに、冬の過乾燥や梅雨時の湿気による不快感をやわらげるというはたらきをしてくれます。もちろん化学物質とは違い、空気を汚染したり、いやなニオイなどもしません。それどころか、むしろ幾らかの脱臭吸着能力もあると言われています。
また、木の無垢床などは、柔らかくて暖かみのあるサラッとした感触が素足にとても気持ち良く、ついゴロリと横になりたくなってしまうくらいです。ラッカーなどの塗装材で表面をコーティングするのではなく、自然素材系のオイルで拭き上げておけば、木の良さを損なうことなく汚れを抑えることができますし、風合いを増すこともできます。

自然素材は新建材などとは違い、傷がついたり古くなっても、むしろそれが味わいとなり愛着が増していきます。また、朽ちて壊れたときには土に戻すことが出来るのも、自然素材の素晴らしいところです。

まず、触れてみて気持ちいいと感じられる素材を適所に使っていくことが、健康的で快適な住まいを造るうえにおいて、とても大切なことだと思います。



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国産の木で家を造る


日本の国土の約7割近くが森林です
街から車で30分も走れば、あたりに森の緑が見えてきます。この国は本当に緑が豊かなんだなぁと実感します。

しかし、こんなに身近に森が有って、たくさん木が育っているはずなのに、今、一般的に住宅で使われている柱や梁などの構造材や、床のフローリング、壁や天井の内装材のほとんどに、輸入木材が使われているのです。実に木材需要量の80%のも達する割合です。

戦後、日本各地の山で大量に植林された木が伐期を迎えています。 山は計画的に伐採し植林していくことにより、半永久的に木材という資源を生産してくれると同時に、空気をきれいにしたり水をたっぷり蓄えて浄化したりして、私達の生活環境をしっかりと支える働きもしてくれています。
この大切な森林を生かしていくためにも、日本の山の木を活用して行きたいものです。
最近、林業や製材に携わる山側の人と、まちのユーザー側とが連携して木材を直接入手する、いわゆる“産直のネットワーク”が各地に立ち上がっています。木の産地がわかり、生産者の顔が見える関係は安心感にも繋がります。産地と直接つながることで、家の設計を活かした木材の活用が出来るだけでなく、流通コストを押さえることで良材を適正な価格で入手できる良い方法です。
自分の家の柱や梁が、どこの山から来たものかを知ることができるのも魅力的なことです。



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木の特性を生かした伝統的な木組みによる軸組み

永い永い歴史を経て、思考錯誤を繰り返しながら培われてきた日本の木造技術。それは木の持つ“粘り強さ”をとてもうまく活かした構法です。
金物に頼るのではなく、木と木をガッチリと組み込む“仕口”や“継ぎ手”によって、全体を一体の“籠(かご)”のような粘り強い構造体にすることができます

少し手間のかかる仕事なので、一般的な木造住宅と比べて、工期や予算が少し上乗せになりますが、もし条件がそろえば是非取り入れたい構法です。





住まいのかたちは、“こうあるべき!”と、一律に決められるものでは有りませんね。
家を建てるにあたっての条件はケースバイケースです。 敷地の大きさや形はそれぞれ違いますし、まわりの環境も様々です。そもそも住まい手の好みや性格もそれぞれに違うわけですから、その都度違った、それぞれに合った住まいのかたちがあって当然なのでしょう。

部屋数や広さ、建物のデザインや設備のことなどに、最初からあまり捕われるのではなく、まずはゆっくりリラックスして普段の生活を振り返ってみてください。何気なくやり過ごしてしまっている様々なことの中に、目指すあなたらしい住まいのかたちがきっとあるはずです。

どんな時に心が安らぎ、どんな事を楽しく感じられるかとか。あるいは、日頃子供たちとどう接していきたいと思っているのかといったことなど・・・を。?さらには建築の枠を越えて、自然環境や地域のコミュニティーのことなども。

『家づくり』は、けっして専門家だけの領分ではありません。住まい手が自らの問題として、自身がまさに主役として取り組むべき、とても意義のある創造の機会だと思います。
住まい手にとっておそらく一度しかないこの機会。私達建築家は、信頼できる良きパートナーとして、共に納得のいくまで話し合いながら、一つ一つ積み上げるように、じっくりと家づくりに取り組んでいくべきだと思っています。そして私自身、一生懸命そう勤めていきたいと思っています。




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